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国会議員11人全員、現行憲法を評価 沖縄関係 特定利用空港への賛否は割れる<憲法アンケート詳報1/3>


国会議員11人全員、現行憲法を評価 沖縄関係 特定利用空港への賛否は割れる<憲法アンケート詳報1/3> 那覇空港(資料)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 琉球新報が県議選立候補予定者、国会議員を対象に実施した憲法アンケートでは、平和主義を掲げる憲法9条が施行から77年を経た今も高く評価されていることが明らかとなった。一方で、世界各地で戦争や紛争が相次ぐ安全保障環境の変化も踏まえ、政府が南西諸島で配備強化を進める自衛隊の明記を含む改定を求める意見も目立った。地方自治法改正や安全保障政策に関わる緊急事態条項、「特定利用空港・港湾」の整備を巡っては与野党で意見が二分した。 

【現行憲法】

  政権与党の自民党などが改定の必要性を訴えている現行憲法だが、その評価の設問には同党議員を含む国会議員の全回答者11人が「評価する」を選択した。多くの回答で「基本的人権の尊重」「国民主権」「平和主義」を国民に浸透させてきた役割などを評価した。

 一方で国内外の環境の変化を念頭に改定の必要性を指摘する意見も自民議員からあった。

 自民の島尻安伊子氏は現行憲法を評価した上で「施行後70年を超える歴史の中、国内外の環境は大きく変化し、一部には今日の状況に対応するため改正すべき項目がある」との見解を示した。

 野党で社民の新垣邦男氏は内閣や国会議員は憲法尊重擁護義務があるとして、与党側をけん制した。「国政がなすべきはお試し改憲ではなく、憲法が保障している国民の権利実現」だと指摘した。
  (大嶺雅俊)

【特定利用空港・港湾】

 自衛隊や海上保安庁の利用円滑化を前提に、政府が特定の空港や港湾を優先的に整備する「特定利用空港・港湾」の指定については、自民・公明の6人が「賛成」、野党の5人が「反対」と回答した。

 自民の宮崎政久氏は、有事や災害時に自衛隊・海上保安庁の能力を最大限に発揮するためには「日頃から多様な施設を円滑に利用できる枠組みが必要」と答えた。

 共産の赤嶺政賢氏は「米軍や自衛隊による軍事利用を拡大するものであり、到底認められない」と批判した。「有事には攻撃の対象となる」と懸念を示した。ほかの4人も、多くが攻撃対象となる可能性を指摘した。

(嘉数陽)