米軍PFAS調査拒否、環境相「沖縄県とは連携している」 米との協議内容は答えず


米軍PFAS調査拒否、環境相「沖縄県とは連携している」 米との協議内容は答えず 米軍基地内への立ち入り調査について「米国との協議内容は答えられない。県とは連携している」と述べる伊藤信太郎環境相=14日、環境省
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 【東京】米軍基地周辺で高濃度の有機フッ素化合物(PFAS)が検出されている問題で、県民に供給される段階の水道水では検出値が低減されていることを理由に米国が立ち入り調査を拒否していることについて、伊藤信太郎環境相は14日の閣議後会見で「米国との協議内容は答えられないことを理解してほしい。県や関係省庁とは連携している」と述べた。

 米軍基地内への立ち入り調査について伊藤環境相は「日本政府としてさまざまな機会を捉えて米側に伝達している」と強調し「引き続き関係省庁と連携して対応していきたい」と述べるにとどまった。

 県が実施した2023年度の水質モニタリング調査結果については「沖縄を含む各自治体に対して助言等を行っている。地域住民の不安解消に向けて引き続き技術的助言を行っていく」と答えた。汚染された土壌による地下水への影響については「科学的知見の集積を進めているが、さらに進めていきたい」と述べた。

 県の23年度水質モニタリング調査結果では、調査地点1カ所から、発がん性が指摘されているPFOSとPFOAが1リットル当たり合計4500ナノグラム(ナノは10億分の1)が検出された。国の暫定指針値(PFOSとPFOA合計1リットル当たり50ナノグラム)の90倍。(嘉数陽)