オスプレイの飛行範囲「飛行場から30分以内」に制限か 米国の軍事サイト報じる


オスプレイの飛行範囲「飛行場から30分以内」に制限か 米国の軍事サイト報じる 米海兵隊MV22オスプレイが駐機する米軍普天間飛行場=4月、沖縄県宜野湾市
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 米国の軍事情報ウェブサイト「ミリタリー・ドット・コム」などは17日までに、米軍が各軍のオスプレイの飛行範囲について緊急時に着陸できる飛行場から30分以内の空域に限定していると報じた。米軍は昨年11月に鹿児島県・屋久島沖で起きた墜落事故を受け、全世界で各軍のオスプレイの運用を停止していたが、今年3月に再開した。安全性の懸念から飛行範囲に制限を受けている機体が県内で飛び交っていることになる。

 米軍は屋久島沖での事故原因を明確に示さないまま、安全対策を講じているとして飛行を再開してきた。段階的に運用能力を回復させる方針を示していたが、飛行範囲の制限については公表していなかった。

 県内では3月以降、普天間飛行場所属の海兵隊仕様のMV22が県内各地を飛行しているほか、海軍仕様のCMV22が3機、嘉手納基地にとどまっている。

 防衛省の茂木陽報道官は17日の記者会見で把握している事実関係や日本側の対応を問われ「安全対策の詳細な中身については個別の装備品の運用に関することで、保全の必要性からお答えできない」と答えた。「米国防総省でも安全対策の詳細を対外的に明らかにしているとは承知していない」と強調した。

 30分以内の制限を巡っては、米下院の小委員会が国防権限法案の草案をまとめた文書で、特に海軍のCMV22を取り上げ「運用が適切な飛行場から30分以内にとどまる飛行と任務に限定されている」とし、出港した空母支援にオスプレイを使えないことを指摘していた。海軍は空母に艦載する輸送機を別の機種で代替している。

 (明真南斗、知念征尚)