米海軍第7艦隊は22日、本紙の取材に対し、米軍嘉手納基地に無人偵察機MQ4トライトンを一時的に配備する計画の理由について、台風など天候悪化の影響を低減するためだと明らかにした。沖縄が活動場所に近いとも取れる説明もあった。
トライトンは20日夜に嘉手納に飛来した。情報収集・警戒監視・偵察(ISR)活動を担う無人機だ。比較的高い高度を飛ぶことができ、広い範囲の情報を収集する。先行して嘉手納基地に常駐配備されているMQ9は、低高度でより詳しい情報をほぼリアルタイムで入手する。
トライトンの一時配備は5~10月の予定だが、拠点である米領グアムの台風シーズンに当たる。嘉手納基地に一時配備する理由が台風か質問すると、第7艦隊は「悪天候による任務中止を軽減するため、無人機は夏季の間、活動場所に近い飛行場へ一時展開する必要がある」と説明した。理由を説明すると同時に嘉手納基地が「活動場所に近い」と明らかにした。
沖縄にも台風がたびたび接近するが、移動距離を短くして少しでも影響を減らす狙いがあるとみられる。防衛省はトライトンの一時配備を県や嘉手納基地の地元市町に伝える際、中国やロシア、北朝鮮の活動を挙げ「情報収集能力の強化が必要」と説明していた。
過去にも三沢基地や岩国基地に展開したことがあるが、夏から10月までだった。同型のRQ4グローバルホークも同様の期間に日本国内へ一時展開している。
(明真南斗)