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給食費で「地域差」懸念も 中学無償化へ 公的支援へのニーズ大きく 沖縄


給食費で「地域差」懸念も 中学無償化へ 公的支援へのニーズ大きく 沖縄 定例記者会見で質問に答える玉城デニー知事=24日、県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 沖田 有吾

 玉城デニー知事は、2025年度から県内の市町村立・県立中学校に通う中学生の給食費無償化に向けた事業を始めると発表した。玉城知事が22年の知事選で公約していた「学校給食の無償化」に基づく事業だが、市町村に半額の費用負担が生じる仕組みに対して一部の首長からは反発の声も上がっている。市町村の協力が不可欠なだけに、自治体によっては給食費無償化が実現されない可能性もあり、地域差が生じる懸念もある。

 給食費は法律上、保護者負担が原則だ。だが23年度の県内の平均保護者負担額は中学生1人当たり月4534円、年間約5万円となる。物価が高騰する中、子育て世帯の負担感は重く、公的な支援へのニーズは大きい。

 これまで、市町村ごとの財政力が違うことから、給食無償化への対応には地域差が生じていた。米軍再編交付金でまかなう自治体や一般財源で対応する自治体がある一方で、ふるさと納税など必ずしも安定的ではない財源を充てている自治体もあった。コロナ禍では地方創生臨時交付金を活用するケースも多く、保護者からは無償化を歓迎する一方で安定した取り組みを求める声も上がっていた。半額とはいえ、市町村が全面無償化を目指すなら確実に負担軽減につながる。

 県は制度設計の中で、持続性などを考慮して半額負担方式を選んだ。市町村側と円滑な協力体制を構築する上で事前調整が十分だったのかなどは今後検証される必要がある。ただ、給食は単なる食事ではなく、教育活動の一環だ。教育の機会均等の観点からも、全ての子どもに無償化の恩恵が行き渡るような運用が求められる。

 (沖田有吾)