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嘉手納基地で「早期警戒機」から燃料流出 190リットルが排水路へ 沖縄


嘉手納基地で「早期警戒機」から燃料流出 190リットルが排水路へ 沖縄 米軍嘉手納基地=2021年12月
この記事を書いた人 Avatar photo 知念 征尚

 県や嘉手納町によると、米軍嘉手納基地で25日午後0時45分ごろ、整備後に試験中だったE3早期警戒機から約190リットルの航空機燃料「JP8」が流出し、雨水排水路に流れた。

 防衛省によると、基地外に流出した可能性もあるといい、確認を進めている。県基地対策課は28日、沖縄防衛局に対し、県民の健康への悪影響も懸念されるとして事故原因の究明と再発防止の徹底を口頭で求めた。

 防衛局が26日夜に県、嘉手納町に連絡した。燃料流出を受けて県は27日、中部保健所の職員らが嘉手納基地周辺の河川を目視で調査した。防衛省も基地周辺を見て回ったが、いずれも、油膜など汚染の兆候は確認できなかったとしている。

 一方、水道用水を市町村に供給している県企業局は流出事故を受けて嘉手納基地周辺を流れる長田川からの取水を念のため停止した。比謝川は有機フッ素化合物(PFAS)汚染対策で以前から取水を停止していた。長田川と比謝川の油分計に反応はなく、長田川からの取水は近く再開する見通しだ。嘉手納井戸群は影響はないとみられ、取水を継続している。

 県は28日に実施した要請で、事故に関する自治体への通報が発生から1日以上経過していることに「速やかな通報が必要だ」と問題視。事故の発生状況や原因などの報告を求めた。県や関係市町村が立ち入り調査を求めた場合には早期に実現するよう協力を求めた。

 當山宏嘉手納町長は、同町内で記者らの質問に答え「住民への影響がないか、米軍には早急に報告してもらいたい」と述べた。

(知念征尚まとめ)