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【辺野古移設】与党が反対、野党は推進 <争点を探る・6.16沖縄県議選>1


【辺野古移設】与党が反対、野党は推進 <争点を探る・6.16沖縄県議選>1 埋め立てが進む米軍キャンプ・シュワブがある辺野古崎(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設問題は、県内主要選挙で大きな争点にあり続けている。日米両政府は1995年に県内への代替施設建設を条件に普天間飛行場の返還に合意した。だが県民は知事選や国政選挙、県民投票を通して、移設先とされる名護市辺野古への新基地建設に反対する民意を示してきた。

 新基地建設阻止を公約に掲げて2018年に当選した玉城デニー知事は、沖縄防衛局が県に提出した大浦湾側の軟弱地盤改良工事に向けた設計変更申請を21年に不承認として県と国は法廷闘争に至った。曲折の末、国土交通相が県に代わって承認するため代執行訴訟が提起され、福岡高裁那覇支部は23年12月に国の請求通り県に承認するよう命じた。この判決に基づき、沖縄防衛局は今年1月から大浦湾側の埋め立て工事に着手した。

 大浦湾での本格的な工事が始まったとはいえ、埋め立てなどの工事には9年3カ月、新基地が完成し普天間が返還されるまでには最短でも12年を要するとされる。

 県議会では与野党間で移設問題に対する立場が明確に異なる。本紙が立候補予定者に実施したアンケートでも、与党系は全員が普天間飛行場の「県外・国外への移転」や「即時無条件で閉鎖・返還」の選択肢を選んだ。県内移設に反対する候補は、与党や中立系の公明を含め全体の5割を超えた。

 一方、野党や中立系の維新などは「辺野古への移設を早く進めるべき」や「普天間返還のためには移設はやむを得ない」と回答し、進展・容認する考えを示した。

 ただ、大浦湾側の埋め立てに向けた国による代執行に対する県政の対応についての評価では、異なる結果となった。与党系全員が大浦湾側の埋め立て承認を行わず、国に代執行されることを選択した玉城知事の対応を「支持する」としたが、野党・中立系は全員が「支持しない」か「どちらでもない」と回答し、5割を超えた。

 (’24県議選取材班)

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 琉球新報が立候補者に実施したアンケートを基に県議選の争点を探る。