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コロナ明け、投票率注目 存在感増す無所属 知事選の行方も左右 沖縄県議選ポイントまとめ あす投開票


コロナ明け、投票率注目 存在感増す無所属 知事選の行方も左右 沖縄県議選ポイントまとめ あす投開票
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 第14回県議会議員選挙は16日、投開票日を迎える。無投票となった石垣市区(定数2)を除く12選挙区で、残る46議席を巡って73人が選挙戦を展開している。沖縄が日本に復帰した1972年の第1回県議選からの候補者の得票の動向や最大焦点となる県政に対する与野党構成、投票率などのポイントをまとめた。 

(’24県議選取材班)

存在感増す無所属

 【政党別得票率】1972年からの県議選を振り返ると、自民は政党別で最多議席を維持してきた。今県議選では現有議席を上回る20人を公認。全員当選なら、過去最多タイになる。

 共産は前回2020年の当選7人が最多だった。今回はその維持を目指し、同数を擁立した。

 県内では21年、社民の所属議員の一部が立憲民主に合流した。その後、初となる今回の県議選でともに公認5人を擁立し、那覇・南部離島と沖縄、宜野湾の3選挙区で競合する。

 公明は16年の当選4人が過去最多だったが、20年は新型コロナウイルスの影響を踏まえ、2人の擁立にとどめた。今回は議席回復を目指す。

 地域政党の社大は08~20年まで2~3議席で推移した。今回は3人を公認している。

 維新は3人を擁立。県支部組織が21年に再始動し、おおさか維新の会だった16年の2議席を上回る当選を目指す。

 一方、政党に属さない無所属議員の存在感が増している。04年は当選者の半分近い22人が無所属だった。今回は26人が立候補している。

知事選の行方も左右

 【与野党構成】県議選では県政に対する与野党構成が最大焦点になる。現在の県議会(48議席)は、玉城デニー知事を支持する与党議員が24人、野党・中立が計24人と拮抗(きっこう)している。野党・中立側から議長が出ているため、かろうじて「与党多数」の状況になっている。

 県議選の立候補者75人の県政に対する政治的立場は与党32人、野党26人、中立17人に分かれている。

 与党が過半数を維持すれば、知事は比較的安定した議会運営を進めることができる。

 与党少数になれば野党や中立の会派の存在感が増し、首長と議会との緊張感がより高まることになる。

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設など基地問題を抱える沖縄の選挙は、国政でも関心が高い。県議選の結果は2年後の知事選や国政選挙の県内選挙区の動向も左右するため、各党の幹部が沖縄入りして支援に力を入れている。

最低の前回 上回るか

 【投票率】県議選の投票率は、前回2020年が46・96%で初めて50%を割り、過去最低だった。

 新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から立候補者が選挙活動を大きく制限されたことが響いた。

 投票率の向上が課題だが、今回の立候補者の陣営からは、運動の盛り上がりの感触から「反応がいまいちで前回より下がるのではないか」との声も聞かれる。

 前回は「密」を避けるため積極利用が呼びかけられた期日前投票が過去最多を更新したが、投票日当日が伸び悩んだ。今回の期日前投票は、前半4日間分が投票率に換算して過去2番目の高さで推移し、投票日当日の動向が注目される。

 1972年以降、県議選の投票率は76年の82・28%をピークに低下傾向が続く。04年に初めて60%を切り、12年には52・49%まで落ち込んだ。16年は53・31%とやや持ち直したものの、コロナ禍に入った20年は16年から6・35ポイント下落し、過去最低を更新した。