玉城デニー知事は23日、沖縄全戦没者追悼式の平和宣言で「戦争につながる一切の行為を否定し、人間の尊厳を重く見る『人間の安全保障』を含めたより高次の平和を願い続け、この島が世界の恒久平和に貢献する国際平和創造拠点となるよう、全身全霊で取り組んでいく」と述べた。
自衛隊の南西諸島への急激な配備拡張が進められていることについて「悲惨な沖縄戦の記憶と相まって、沖縄県民は強い不安を抱いている」と指摘し「沖縄の現状は、無念の思いを残して犠牲になられた御霊(みたま)を慰めることになっているのだろうか」と問いかけた。防衛力強化への懸念を示したのは2年連続。
玉城知事は式典後、記者団に対し、米軍基地負担に加えて自衛隊の配備拡張が進められることに「県民からすると受忍限度を超えているということでしかない」と指摘した。
日本に復帰し1972年5月15日に政府が出した「沖縄を平和の島とし…」との声明を引用し「県民が願う平和の島の実現のため、在沖米軍基地の整理・縮小、普天間飛行場の一日も早い危険性の除去、辺野古新基地建設の断念など、基地問題の早期解決を図るべきだ」と政府に迫った。
しまくとぅばと英語で「祖先に対して誇れる沖縄でありたい。沖縄県が世界の恒久平和の架け橋となるよう、ともに目指していこう」などと宣言した。
(沖田有吾)