外務省沖縄事務所の宮川学大使は29日、自民党県連の要請後、記者団から事件の発生や起訴を沖縄防衛局に伝えていなかったのではないかと問われ「適切な意思疎通はしている。(防衛局に)伝えたが、時期については差し控えたい」と答えた。
昨年12月の少女誘拐暴行事件と今年5月の女性への性的暴行事件を巡っては、県警や外務省から県と沖縄防衛局へ事件の発生などの情報が伝達されていなかったことが問題となっている。複数の沖縄防衛局関係者によると、防衛局は事件の発生や米軍人が被告として起訴されたことを報道によって知ったという。
宮川大使は、沖縄事務所としていつ事件を把握したのかについて「捜査に関することなので控えさせていただく」とした。既に起訴されていることを記者が指摘すると「これから公判があるので」と答えた。今後、県を訪ねて説明する予定があるかについては「県とは対話を続けていく」と述べるにとどめた。
その後に県連会館を出た沖縄防衛局の伊藤晋哉局長は、米兵を被疑者とするそれぞれの事件について起訴前に連絡があったのかを問われ「お答えを控えさせてもらう」と述べて、車に乗り込んだ。
(沖田有吾)