北大東村への移動式警戒管制レーダー配備計画を巡り、防衛省は16日、同村人材交流センターで住民対象の説明会を開いた。
説明会終了後、取材に応じた鬼塚三典村長は「大方のみなさん(住民)が自衛隊配備についてある程度の理解を示された」と述べ、受け入れの前提としていた住民の理解が得られたとの見解を示した。近く来島を予定している防衛省政務官と面談した際に、正式に受け入れを表明する考えだ。
防衛省は、2023年度に実施してきた測量などの環境調査を踏まえ、施設整備にあたって希少動植物の保全措置や、周辺農地への塩害対策を検討していると説明した。
環境対策の一つとして、配備地区の塩害対策について防衛省は敷地を囲うように防潮柵を設置する。柵の高さについては地区に設置されるレーダーや電波測定装置の影響、保安林の高さも踏まえるとした。ダイトウワダンなどの希少な植物については移植し、哺乳類のダイトウオオコウモリなどの希少な動物は侵入防止柵を設ける。
検討結果を踏まえ、本年度以降に土質調査を実施し、25年度以降、工事を進める考え。検討されているのは島の北東部と南部の村有地など約11ヘクタール。南部に建設予定の監視地区には約30メートルの鉄塔を整備する考えも示した。
(田中芳、明真南斗、知念征尚)