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佐喜真氏「容認せざる得ない」 桃原氏「固執は政治の怠慢」<宜野湾市長選2024 政策アンケート>(2)普天間飛行場の辺野古移設


佐喜真氏「容認せざる得ない」 桃原氏「固執は政治の怠慢」<宜野湾市長選2024 政策アンケート>(2)普天間飛行場の辺野古移設
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 宜野湾市の中央に位置する米軍普天間飛行場。米軍機の騒音や米兵による事件事故、土地利用への制限などさまざまな基地負担が慢性的に生じている。

 宜野湾市長選に立候補を表明している元市長の佐喜真淳氏(60)=自民、公明推薦=と新人で市議の桃原功氏(65)=立民、共産、社民、社大推薦=はそれぞれ普天間飛行場の早期の閉鎖・返還を求める姿勢は一致しているものの、移設に伴う名護市辺野古の新基地建設の是非は割れる。佐喜真氏は「容認」、桃原氏は「反対」の立場を示した。

 佐喜真氏は「普天間飛行場代替施設の工事が進められており、他に方策がない中では、辺野古移設を容認せざるを得ない」とした。一日も早い閉鎖・返還に向けては、政府に要請して代替施設建設が完了するまでの期間を短縮させるとした。また、返還期日の明確化も掲げた。

 桃原氏は辺野古新基地が「唯一の解決策」とする政府の姿勢に対し「民意に背く辺野古に固執する政府の思考停止こそ政治の怠慢」と批判。米大統領への親書送付や県知事との訪米で普天間飛行場の閉鎖・返還を直訴するとした。あらゆる方策で世論喚起し、市民一丸で返還を求める構えだ。

 普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備については両氏とも「撤回」を訴えた。

 佐喜真氏は普天間飛行場の移設先とされるキャンプ・シュワブへオスプレイの先行移駐を進め、全国にも常駐機や訓練の移転を進めるとした。

 桃原氏は普天間飛行場所属のオスプレイは既に2機墜落していると指摘。市民の生命・財産を守るためには全機撤去しか方策はないとした。

 市に隣接する浦添市への米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の移転計画について、佐喜真氏は理由も含めて回答しなかった。桃原氏は「撤回」とした。「浦添西海岸は都市部近郊に残された唯一の自然海岸。生物多様性を誇る市民・県民の憩いの場でもあり、大切に保全すべき」とした。

(’24宜野湾市長選取材班)