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どうなる?県内政局 自公、衆院選に弾み オール沖縄、退潮傾向が鮮明に 宜野湾市長選


どうなる?県内政局 自公、衆院選に弾み オール沖縄、退潮傾向が鮮明に 宜野湾市長選 投票箱(イメージ)
この記事を書いた人 Avatar photo 沖田 有吾

 全国的にも注目を集めた宜野湾市長選で、佐喜真淳氏が勝利した。推薦した自民、公明にとっては、大勝を収めた6月の県議選に続き、11月上旬と目される衆院選に向けて弾みをつけた形だ。玉城デニー知事を支える「オール沖縄」勢力は、県議選に続き重要選挙で敗れ、退潮傾向が一層鮮明になった。

 近年、県内全域が一つの選挙区となる知事選や参院選では、基地問題を最大の争点に位置付ける「オール沖縄」勢力が強さを発揮した。一方、生活に直結する課題が主要争点となる首長選では、組織としてのまとまりで勝る自公勢力が優勢に立つ展開が続いている。

 松川正則氏の急逝に伴い準備時間の限られた今回の市長選でも、自公は元市長の佐喜真氏の知名度と組織力を生かして票を固めた。衆院選や来年の首長選、参院選を経て、県内政局の天王山となる2026年の知事選に向け、勢いを加速させていく構えだ。

 市政奪還を果たせなかったオール沖縄にとっては大きな痛手で、玉城知事の政治的な求心力にも影響は必至だ。衆院選で巻き返しを図りたいが、沖縄4区の統一候補者選考も長期化。さまざまな政党や政治団体が辺野古新基地建設反対というテーマで連帯する在り方が裏目に出て、候補者調整などで意思統一が難航し、得票につなげきれていない印象は否めない。立て直しは急務だが、糸口がつかめない苦境が続いている。

(沖田有吾)