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浦添市長の答弁、会議録から削除 市議が促す“出馬表明”質問は「通告外」で紛糾 沖縄


浦添市長の答弁、会議録から削除 市議が促す“出馬表明”質問は「通告外」で紛糾 沖縄 浦添市役所(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 藤村 謙吾

 松本哲治浦添市長が、来年の浦添市長選への出馬を表明するきっかけとなった、具志堅興一市議(自民党・第4てだこ会)の一般質問を巡り、「質問が通告外の内容だ」として12日の浦添市議会が紛糾した。

 複数の市議が疑義を唱えた結果、具志堅市議が一連の発言の取り消しを市議会に申し出た。申し出は許可され、質問と共に出馬表明を含む市長答弁が、会議録から削除される“珍事”となった。

 具志堅市議は、GW(ゲートウェイ)2050プロジェクトについての質問をすると、市議会に事前に通告していた。

 「来年、市長は出馬し、(同プロジェクトに)市長として関わるのか」と質問。松本市長は「市長としてプロジェクト推進に関わらせてほしい」と答弁した。具志堅市議は「出馬表明として受け止めていいか」と質問を重ね、市長から「出馬を予定している」との答弁を引きだした。

 このやりとりについて、市政与野党双方から「通告外の質問だ」と疑義が上がり、議会は午後2時過ぎから一度再開をはさみ、午後4時45分まで休憩し、会派調整が続いた。

 最終的に具志堅市議が、市長としてのプロジェクトへの関わりを質問したところから、終盤5分の自身の発言部分の取り消しを申し出た。

 具志堅市議は議会後、「通告外という指摘があったので、それを真摯(しんし)に受け止めた」と語った。市長選への出馬を一般質問で松本市長に聞くことについては、「市長本人と事前にやりとりはしていない」と否定した。

 松本市長は一連の議会の対応について「議会へのリスペクトも兼ね、ここで(出馬表明を)と考えていた。一体何が起きているのか、困惑している」と険しい表情を浮かべた。

 (藤村謙吾)