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【深掘り】選挙戦、動き活発に 宮古島市長選 保守系勢力が選考委立ち上げ 来年1月19日投開票


【深掘り】選挙戦、動き活発に 宮古島市長選 保守系勢力が選考委立ち上げ 来年1月19日投開票 宮古島市長選の保守系候補者選考委の初会合に参加する関係者ら=9月28日、同市平良の平良港ターミナルビル
この記事を書いた人 Avatar photo 友寄 開

 来年1月19日に投開票される宮古島市長選に現市政の副市長が保守系候補として名乗りを上げた。これまで現職の進退が判然としていないこともあり、関係者の間に表立った動きは少なかったが、転じて慌ただしさを増してきた。

 9月28日に自民県議や市議、経済関係者ら保守系勢力による候補者選考委員会が発足していた。経済界の一部から推される形で嘉数登副市長(61)が意欲を示し、10月3日に辞表を提出。嘉数氏は今後、選考委に候補者として諮られる。

市長と副市長

 県知事公室長だった同市出身の嘉数氏を引き抜く形で副市長に据えた座喜味一幸市長(74)。腹心の決心については織り込み済みだった様子だ。

 関係者によると嘉数氏は辞表提出前に座喜味市長に相談。嘉数氏が保守系選考委の俎上(そじょう)に載せられることについて、座喜味市長は「意思疎通は取れている。お互い納得している」と話したという。

 一方、座喜味氏の進退は明らかではない。任期満了を1月に控えて去就が注目され、市議会9月定例会では複数の市議が2期目への挑戦などについて問うたが「後援会と相談して決めたい」と述べるにとどめている。

県議選の影響

 6月の県議選で市区の2議席を独占した保守系は、選挙戦で両陣営が保守層の票を激しく奪い合う激戦を展開した。影響は、両陣営の関係者の間に溝として残る。県議選直後には市長選の候補者擁立を目指す選考委発足が模索されたが、なかなか始動できないでいた。

 新里匠(47)、下地康教(65)の両県議や西銘恒三郎衆院議員(70)らが話し合いを重ねるなどして、ようやく選考委立ち上げに至ったが、今後の協議についても県議選の影響から難航を見通す声がある。

共闘の実態

 座喜味市長を誕生させた保革共闘の政治勢力「ワンチームみゃーく」は、県議選で推した現職の國仲昌二氏(63)が敗れた。選挙直後、「ワンチーム―」の関係者らは「保革共闘の実態はなかった。それが県議選で明らかになった」と異口同音に語っていた。

 県議選からわずか9日後の6月25日、國仲氏が市長選出馬を正式表明した。座喜味市政を誕生させた勢力のかじ取り役の突然の表明に、関係者や支持層には応援する声もあれば、批判的な見方も多かった。

 國仲氏は「組織的な活動に頼らず、自分でできることからやっていきたい」と「ワンチーム―」やオール沖縄から距離を置き、個人として無党派層の開拓に注力している。

 現職の進退や保守選考委の議論の行方、県政与党など知事を支えるオール沖縄勢力の動向など不透明な要素もあり、市長選の対立構図の確定にはまだ時間がかかりそうだ。

 (友寄開)