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【3区・勝因敗因】島尻氏、組織票を固め激戦制す 屋良氏「反辺野古」訴えたが及ばず<衆院選2024沖縄>


【3区・勝因敗因】島尻氏、組織票を固め激戦制す 屋良氏「反辺野古」訴えたが及ばず<衆院選2024沖縄> 3区の開票状況をじっと見守る島尻安伊子氏と支持者ら=28日午前0時半ごろ、沖縄市の選挙事務所」
この記事を書いた人 Avatar photo 金城 大樹

 27日に投開票された第50回衆院選は、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に反対する「オール沖縄」勢力の候補が県内4選挙区のうち、1、2区で勝利した。政権与党の自民は改選前の議席を減らし、4区を死守した。自民派閥の裏金問題に対する有権者の反発も大きく、2025年参院選や26年知事選への影響も必至。オール沖縄は攻勢を強める構えで、自民は巻き返しを図る。 (’24衆院選取材班)

 3区は自民前職の島尻安伊子氏が立民前職の屋良朝博氏に勝利し、2期目の当選を果たした。短期間の選挙戦だったが、企業・団体の組織票を着実に固め、推薦を受けた公明とセット戦術を徹底して逃げ切った。屋良氏は、物価高対策などを強調し、無党派層の取り込みを図って支持を広げたが、一歩及ばなかった。

当選の報を受け、支援者らに感謝を伝える島尻安伊子氏=28日午前0時52分、沖縄市泡瀬の選挙事務所

 前回選で島尻氏は、屋良氏に約7千票差をつけて当選したが、沖縄市で35票差に迫られるなど大票田で激しく競り合っていた。島尻氏は企業へのあいさつ周りや朝礼での呼びかけを徹底し、組織票を手堅く固めた。

 支持を受ける10市町村の首長らを各自治体の支部長に据え、盤石な選挙態勢を築いた。菅義偉元首相らも応援に入るなど、中央政界とのつながりの強さも見せた。

 決起大会や街頭演説では「比例は公明」の呼びかけを徹底し、セット戦術を浸透させた。

 屋良氏は辺野古新基地計画反対を掲げ、物価高対策や教育費の無償化などを強調して激しく迫ったが、捉えきれなかった。

  (金城大樹)

子の貧困対策に光

島尻安伊子氏の話 政治とカネの問題について、不安があるということは感じており、その大きさが計り知れなかった。自公過半数割れとの報道もあるが、野党時代の自民党の経験者として、国政の中で何をどう組み立てるかを地に足をつけて、しっかり見ていきたい。沖縄全体の発展は3区が鍵を握っていると信じている。その実現のため、社会資本の整備に力を入れてきた。子どもの貧困対策もバージョンアップしなければいけない課題も見えてきた。そこに光を当てていくことを4年間で頑張りたい。

選択、真摯に受け止める

屋良朝博氏の話 そもそも私の力不足を認めないといけない。訴えた政策の中身が(相手候補)と違った。県民の選択、真摯(しんし)に受け止めたい。国会に比例でいける。(選挙で)訴えてきたことを国会で実現しようとあらためて思った。

事前準備足りず

新城司氏の話 既存の政党では暮らしは良くならないと訴えたが、事前準備ができず、自分の力も不足していた。