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地位協定、各党で公約に違い 与党「あるべき姿を追求」、野党「改定」「見直し」<衆院選2024沖縄>


地位協定、各党で公約に違い 与党「あるべき姿を追求」、野党「改定」「見直し」<衆院選2024沖縄> イメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 15日公示、27日投開票の衆院選に向け、与野党各党が公約を発表している。石破茂首相が総裁選で取り上げたこともあり、日米地位協定への関心が集まっている。「抜本改定」「あるべき姿を追求」などと各党の書きぶりに違いが出た。 

 与党自民党は「米国政府と連携して事件・事故防止を徹底し、日米地位協定のあるべき姿を目指す」と記述した。2021年の前回衆院選や、故安倍晋三元首相の下で行った17年衆院選の公約とも、書きぶりはほとんど変わらなかった。従来から改定ではなく運用改善で対応しており、その記述を踏襲した形だ。

 石破首相は9月に那覇市で行われた総裁選立候補者討論会で地位協定改定を打ち出した。総裁に選ばれた直後の会見では他国の地位協定改定過程を検証する考えも示していたが、公約には反映しなかった。石破氏は衆院解散を受けた9日の記者会見で「これから自民党内でコンセンサス(合意)を得ていかなければならない」と語った。

 与党の公明党は自民と同様に「あるべき姿を不断に追求」と記載しているが、凶悪犯に関する起訴前身柄引き渡しについて「協定明記の検討」など協定本文の修正も視野に入れた表現とした。基地周辺自治体と基地司令官らの定期協議の開催や、日本側の基地立ち入りにも言及した。

 野党第1党の立憲民主党は「改定を目指しつつ、米国側と交渉できる現実的な提案を行っていく」と掲げた。日本側による米軍基地の管理権や立ち入りに加え「基地の米軍・自衛隊との共有化」について米側と交渉するための検討委員会を設置するとし、組織を立ち上げて進める考えを示した。

 日本維新の会は「沖縄県民はじめ日本国民の生命、身体、財産を守り、法の下の平等を保障するため、日米地位協定を抜本的に見直す」と強調。

 共産党は「米軍犯罪など横暴勝手の根本にある日米地位協定を抜本改定する」と明記した。

 国民民主党も地位協定の見直しについて日米間で協議するとし「米軍、軍人、軍属、その家族に対する国内法の原則順守、日本側の米軍基地の管理権などについて米国と協議する」とした。

 社民党も「日米地位協定を全面改定する」と盛り込んだ。

 れいわ新選組、参政党は今回の公約やマニフェストには地位協定については盛り込んでいない。

 (知念征尚、明真南斗)