石破茂首相は12日の日本記者クラブ討論会で、核兵器を全面的に違法化する核兵器禁止条約を巡り、締約国会議へのオブザーバー参加に慎重な姿勢を示した。「現実的に抑止力は機能している。どうやって核廃絶に結び付けるか議論したい」「抑止力を認めながら核兵器廃絶が本当に両立可能なのか検証が必要だ」と述べた。
核廃絶の目標は同じだとした上で「そこに至るまでの道筋を、現実にどうやって描くかということだ」と指摘。オブザーバー参加しないのかを問われ「いろんな可能性がある」と述べつつ、参加してこなかった日本政府の立場との整合性も考慮すると話した。
立憲民主党の野田佳彦代表は、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へのノーベル平和賞授与決定を「非常に意義がある」と評価し、日本はオブザーバー参加すべきだと主張。米国の核兵器を日本で運用する「核共有」を自民党総裁選で唱えた首相の姿勢を疑問視した。