【東京】防衛省が34契約36工事について入札公告を行うことなく別の工事を受注している業者と増額の変更契約を結んで委託したことが会計検査院の調べで分かった。変更契約で計10億6228万円余りが増額された。沖縄防衛局発注分は、久米島分屯基地での工事を那覇基地での工事契約に追加で発注した事例など、7契約8工事あった。検査院は「一般競争入札を行うべきだった」と指摘した。
国の機関が工事を発注する場合、機会の均等、公平性の保持、予算の効率的使用の面から一般競争入札による契約が原則となっている。
検査院によると、沖縄防衛局は2018年度、航空自衛隊久米島分屯基地内の鉄塔1基の建築工事を、空自那覇基地の管理棟新設工事に追加する形で入札公告を経ず発注した。受注者と直接協議し、工事費を1億2204万円増額した。
防衛局は鉄塔について部隊の要望で18年度末までに完成させるために緊急性があるとして入札公告をせずに発注。実際は鉄塔工事の設計は16年度に完了しており、予算措置も18年度当初で講じられていたが防衛局が入札などの手続きを取っていなかった。検査院は変更契約が認められる場合に該当しないと指摘した。
キャンプ瑞慶覧に関する郵便局工事に、道路の区画線変更工事を追加した事例もあった。
(明真南斗)