27日に投開票された第50回衆院選は、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に反対する「オール沖縄」勢力の候補が県内4選挙区のうち、1、2区で勝利した。政権与党の自民は改選前の議席を減らし、4区を死守した。自民派閥の裏金問題に対する有権者の反発も大きく、2025年参院選や26年知事選への影響も必至。オール沖縄は攻勢を強める構えで、自民は巻き返しを図る。 (’24衆院選取材班)
沖縄2区は社民前職の新垣邦男氏が、前回衆院選に続き自民前職の宮崎政久氏らを抑えて当選を果たした。新垣陣営は当選1期で、知名度不足を課題に挙げていたが「オール沖縄」勢力や無党派層からの支持を集めたほか、一部自民支持層の票を集めた。宮崎氏は自民・公明支持層以外への広がりを欠いた。
新垣氏は自民の裏金問題を強く批判し、政権交代を訴えることを前面に押し出して戦った。前回選挙は連続6期当選の照屋寛徳氏の後継として優勢に戦った。照屋氏亡きあとの今回は引き継いだ強固な地盤に加え、辺野古新基地建設反対や中部広域都市圏構想などの政策が浸透した。中頭郡を中心に支持を広げ、満遍なく票を積み上げた。
宮崎氏は厚生労働副大臣としてのテレビ出演などもあり、知名度では他候補を上回ったとみられる。4期の実績を訴えたが強固な革新地盤の中頭郡部の票を崩せなかったほか、自民の一部支持層は新垣氏と維新新人の赤嶺昇氏に流れた。赤嶺氏は地元浦添市を中心に一定の支持を受けたが広がりを欠いた。
(福田修平)
平和な未来つくる
新垣邦男氏の話 2区は普天間、嘉手納基地を抱え、安全保障の縮図と言われている。2区の皆さんが懸念を持っており、2区を守らなければならないという思いが強くなったのだろう。今の自民政権は防衛予算を増額し、軍拡に向かい走っている。「沖縄が再び戦場になるのでは」「捨て石になるのでは」という不安を県民が持っているだろうと思う。そういった声を国政に届けてほしいと期待されている。玉城デニー知事らと一緒に、平和で安心して暮らせる、未来ある沖縄をつくっていきたい。
全て私の力不足
宮崎政久氏の話 小選挙区での勝利だけを求めて選挙をやると宣言していた。残念だ。結果を真摯(しんし)に受け止める。(自民党に対し)厳しい意見があることは感じていたが、その中でも勝つ自民党候補もいる。全ては私の力不足だ。
結果つながらず
赤嶺昇氏の話 これまでの地方議員の経験をなんとか国政に届けようと思ったが、残念ながら結果に結びつかなかった。皆さんが必死に応援してくれたので心苦しい。政策を細かく訴えてきたが、なかなか浸透させることができなかった。
支持広がらず
今野麻美氏の話 日本が今考えるべき問題を訴えたが、政府やメディアに争点をずらされ、支持が広がり切れなかった。
救済訴え続ける
比嘉隆氏の話 国民の命と健康を守れず残念に思う。コロナワクチン中止、ワクチン被害者の救済を訴え続ける。