当選を確実にし、支持者から花束を贈られる西銘恒三郎氏（右）＝27日午後11時23分ごろ、南風原町兼城の選挙事務所
嘉数 陽 27日に投開票された第50回衆院選は、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に反対する「オール沖縄」勢力の候補が県内4選挙区のうち、1、2区で勝利した。政権与党の自民は改選前の議席を減らし、4区を死守した。自民派閥の裏金問題に対する有権者の反発も大きく、2025年参院選や26年知事選への影響も必至。オール沖縄は攻勢を強める構えで、自民は巻き返しを図る。 （’24衆院選取材班）
沖縄4区は、自民前職の西銘恒三郎氏が前回選挙で一騎打ちを繰り広げた立民新人の金城徹氏らを抑えて勝利し、7期目の当選を決めた。知名度の高さで選挙戦を優位に進めた。
大臣経験などの実績を強みに保守層を固めた。裏金問題の影響もあってか無党派層の多くは金城氏に流れたが、支持基盤を固めたことによるリードを守り切った。前回選後、選挙区内5市のうち、4市で保守系首長が選出されるなど、強固な保守地盤であることが改めて示された。今選挙戦では豊見城市や南城市など、前回得票が伸び悩んだ地域を中心に首長らの積極応援を受けるなどして堅実に地盤を固めた。
金城氏は「オール沖縄」支持層のほか無党派層の支持も集めた。れいわからも一定程度の票を獲得し西銘氏に食らいついたが及ばなかった。
れいわ新人の山川仁氏は、れいわ支持層を手堅く固めたが、他政党支持層にまで支持を拡大できなかった。維新新人の山川泰博氏は運動量が足りず、政策を広く浸透させることができなかった。
（嘉数陽）
初心忘れず頑張る
西銘恒三郎氏の話 街宣車を走らせながら、いつもの選挙と違うと感じていた。全国報道を見ていると、当選同期の大臣経験者の仲間が落選している。自民党が国民に政治不信を与えたことが分かる。しかしこんなに厳しい状況でも何とか勝ち抜くことができた。信頼が大事だ。初当選した時の心持ちに立ち返り、市町村議員団や市町村長とつながってしっかり仕事をする。原点を見逃すことのないよう信頼を大事にしながら仕事をしたい。地域の課題を一つ一つ解決していく。初心を忘れずに頑張る。
支援者に感謝、力及ばず残念
金城徹氏の話 短い選挙戦のなか、限られた人数のスタッフ・支援者が支えてくれて、本当に頭が下がる思いだ。４区は去った大戦で大きな被害を受けたことなどを強く訴えてきた。ただ、残念なことに私自身の力が足りなかった。
政策浸透できず、力足りなかった
山川泰博氏の話 物価高対策と教育の無償化を訴えたが浸透できなかった。スタッフに一生懸命やってもらったが、僕の力が足りない。これから先はどうするかというのは分からない。厳しい結果ではあるが、皆さんのおかげで無事終えた。
広がりを感じた 離島の反応良い
山川仁氏の話 オール沖縄の枠組みに入り、分裂という形になったが、れいわの一定の広がりを感じた。離島の反応も良かった。自民に頼らざるを得ないという県民性と、野党が頼りないから自民に（投票）という方向だったかもしれない。
