「オール沖縄」2勝、自民2勝で議席分け合う 1区赤嶺氏、2区新垣氏、3区島尻氏、4区西銘氏<衆院選2024沖縄>


「オール沖縄」2勝、自民2勝で議席分け合う 1区赤嶺氏、2区新垣氏、3区島尻氏、4区西銘氏<衆院選2024沖縄> 当選が確実となり、支持者らと万歳をする赤嶺政賢氏(前列中央)=27日午後11時35分、那覇市おもろまちの選挙事務所
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 第50回衆院選は27日、投開票され、沖縄の4選挙区は政権与党の自民が2勝、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に反対する「オール沖縄」勢力が2勝と議席を分け合った。

 沖縄3区で前職の島尻安伊子氏(59)が2選し、4区で前職の西銘恒三郎氏(70)が7選を決めた。オール沖縄は1区で共産前職の赤嶺政賢氏(76)が9選、2区で社民前職の新垣邦男氏(68)が2選を決めた。

当選が確実となり、支持者と万歳する新垣邦男氏(前列中央)=27日午後8時1分、宜野湾市長田の選挙事務所(小川昌宏撮影)

 県内選挙区の投票率は49・96%で過去最低となった。

 小選挙区で敗れた自民前職の国場幸之助氏(51)、自民前職の宮崎政久氏(59)、立民前職の屋良朝博氏(62)、れいわ新人の山川仁氏(50)は比例での復活当選を果たした。また、公明の比例単独候補として九州ブロック名簿に登載されている金城泰邦氏(55)が当選した。

 自民、オール沖縄勢力ともに改選前の議席数を維持し、自民は辺野古新基地問題の地元、名護市を抱える3区で議席を死守、オール沖縄は、野党共闘の象徴としてきた1区を守った。選挙結果は25年参院選や26年県知事選を控える県内政局にも大きく影響する。

当選を決め、支持者と万歳三唱する島尻安伊子氏(前列右から3人目)=28日午前0時50分、沖縄市泡瀬の選挙事務所(ジャン松元撮影)

 1区の赤嶺氏は前回に続いて、国場氏、無所属元職の下地幹郎氏(63)との事実上の三つどもえの争いを制した。国場、下地両氏に保守票が分散したことに加え、オール沖縄を構成する政党間の協力体制で選挙戦を優位に展開した。

 2区はオール沖縄の支援を受けた新垣氏が、宮崎氏と前県議会議長で維新新人の赤嶺昇氏(57)を引き離した。新垣氏が町村部を中心に幅広く支持を集め、03年以来続く社民の国政選挙区議席を守った。

 3区は島尻氏が屋良氏との事実上の一騎打ちを制した。島尻氏は自公セット戦術を展開し、盤石な組織体制を敷いた。元沖縄担当相の実績を強調し、沖縄振興政策を訴え、自公支持層に加えて無党派層からも支持を得た。

当選が確実となり、支持者と万歳する西銘恒三郎氏(前列中央)=27日午後11時13分ごろ、南風原町兼城の選挙事務所

 4区は西銘氏が、金城氏、山川仁氏、維新新人の山川泰博氏(54)との混戦を制した。岸田政権で沖縄担当相を務めた実績や知名度を生かした選挙戦を展開した。国政野党勢力が分散したこともあり、前回に続き小選挙区での当選となった。

 (’24衆院選取材班)