【アルゼンチン】柔術の世界選手権 後仲門さんV祝う


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 浜同志会はこのほど、アルゼンチンの在亜沖縄県人連合会の「うるま園」運動場で、昨年11月にペルーで行われた柔術「ネフセン」世界選手権で優勝を飾った後仲門ガブリエルさん(42)の優勝祝賀会を開いた。

祝賀会には後仲門さんの家族や同志会会員が出席し、にぎわった。
 後仲門さんは25カ国が参加したペルー柔術世界選手権の教師級で金メダルを獲得しただけでなく、主将として率いたアルゼンチン代表も団体で優勝した。
 2位はカザフスタン、3位は主催国のペルーだった。翌日、後仲門さんは、20年以上の教師歴を持つ柔術家の一人として表彰された。
 ガブリエルさんが教えている柔術は、日本古来の古武道「柔術」とは直接関係ない。移民としてブラジルに渡った日本人柔道家の前田光世さんが、プロレスリングの格闘家などとの闘いから習得した技術や柔道の技術を、ブラジル人のグレイシー兄弟らに伝え、彼らが改良してきたものだ。
 自分の身を守り、体格が大きい相手や、力のある相手でも勝てるように考え出されたのがブラジリアン柔術。寝技の組み技が主体であるため、安全性の高さや、まったくの素人でも入りやすいために、競技人口が急速に増えている。
 主な技術として、抑え込み技、絞め技、関節技がある。ユニホームは柔道着よりも薄手になっている。
 「ネフセン」は、天下無双の拳骨和尚で知られる幕末の名僧「武田物外」によって創始された「不遷流柔術」の流れをくみ、柔らかく全身を使って技を掛けるのが特徴。寝技でずいぶん柔道の選手を苦しめたといわれている。
(大城リカルド通信員)