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ブラジル・サンパウロ市のブラジル沖縄県人会館で8月26日、県立芸術大学講師らと同国の琉球伝統芸能の若手舞踏家らによる組踊と沖縄芝居が上演され、1、2世を中心とした約千人の観客を魅了した。
県立芸大から講師・阿嘉修さん(40)と非常勤講師・嘉数道彦さん(32)が訪れた。県人会によると、同大と沖縄系舞踏家らによるブラジルでの共演は初めて。
出演者らは組踊「万歳敵討」や「人盗人」を熱演。悲恋を描いた沖縄芝居の名作「泊阿嘉」では、観客の涙と笑いを誘った。出演したサンパウロ市の4世で、琉球舞踊を教えている斎藤悟さん(26)は「組踊はブラジルの沖縄系若手の間でまだあまり知られていない。これから広めたい」と話した。
8歳だった90年前に伯母に連れられて那覇市で「泊阿嘉」を観劇したというサンパウロ市の1世、島袋ユキさん(98)は当時、観客が上演後にタオルを投げ歓声を送っていたと振り返り「ブラジルに来て78年。再び見ることができとても感動した」と笑顔で話した。
(安原亜希子通信員)