【アメリカ】IT人材豊富な沖縄 上地さん、渋川さん MIT研修成果を報告


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デュアル・ソリューション社の上地里奈さん(左)と渋川浩史さん=5日、那覇市天久の琉球新報社

 7月に米マサチューセッツ工科大学(MIT)で世界最先端のゲーム開発を1週間研修した、デュアル・ソリューション社=那覇市久茂地=の上地里奈さん(35)と、同社沖縄営業所所長の渋川浩史さん(35)が5日、那覇市天久の琉球新報社を訪れ、研修成果などを報告した。研修ではゲーム制作の工程について学んだ。

 11月13日~15日にはMITゲームラボのフィリップ所長を沖縄に招いた講演を行う。ボストンに住む、県出身の若手音楽家・仲間将太さん(29)の仲介で交流が実現した。上地さんはMITで「私らの会社が作ったゲームをやってもらい『面白いか』と率直に聞き、意見を交わせたのが良かった」と語った。
 デュアル・ソリューション社の沖縄営業所は同社のメディアの企画・開発拠点を担っており、インターネットの広告代理店としての本社から独立性の高い活動を展開しているという。米国での拠点づくりを目指し、スタッフを送る活動を活発化させている。
 沖縄営業所は5年前に所長の渋川さんを含む2人で発足させた。メディア運営やゲーム制作を手掛け、現在スタッフは120人。東京都出身の渋川さんの他は全て県内で採用した。成果報酬を重視しているため月収100万円を超えるスタッフも多い。採用されたスタッフには前職がバーテンダー、トイレ工事職人もいるという。
 県出身女性と結婚し、沖縄に住んで5年になる渋川さんは沖縄の印象について「沖縄は人材が面白い。多くの言語を話せる若者が多く、仕事さえあれば一生懸命に働く人ばかりだ。海外のいい大学を出ても沖縄に戻って能力を生かせない若者も多い。そうした人材に魅力がある」と強調した。
 上地さんは米ニューヨークの大学を卒業し米国に10年間住んだ経験を持つ。写真を学び、英語、ドイツ語も使いこなす。沖縄に戻ってから貿易関係の仕事をしたが、情熱を注げる仕事に就けずにいた。同社に入社してから翻訳を中心とする業務を担っているが現在はゲームディレクターにも挑戦中だ。
 渋川さんは県内の若者に対し「これからは海外に目を向けた方がいい。世界のウチナーンチュを沖縄に呼び集めるだけでなく、こちらから出て行って若いウチナーンチュたちと関係をつくる時機に来ている」とエールを送った。