【島人の目】ウーゴさんのこと


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 ウーゴさんとは、生涯を人のためだけに生きてきた清高な男、ことし88歳になるウーゴ・デ・チェンシ神父のことである。ウーゴさん、と人々に愛称されている彼はイタリア北部の生まれ。宣教師としてブラジルに行ったことがきっかけで、土地の名前を取った「マト・グロッソ」という慈善団体をつくった。

 それはイタリア国内で年々発展を遂げ、ボランティアを南米に派遣するなど、多くの慈善事業を展開している。ウーゴさん自身もペルーに滞在して、同国の恵まれない子どもたちを集めて慈善活動をしている。
 妻がマト・グロッソと関わっている関係で、わが家では毎年マト・グロッソ主催のチャリティーコンサートを開く。募金集めのために食事会を催したりもする。
 昨年は東日本大震災支援のチャリティーコンサートを開いたが、その時に協力してくれたのもマト・グロッソのボランティアの皆さんだった。
 今回、マト・グロッソの責任者のブルーノ夫妻と共に、ウーゴ神父を訪ねてペルーに行くことが決まった。僕はハンディーカメラを携えて行く。マト・グロッソの活動拠点を視察し映像に収める。マト・グロッソの活動地域はほとんどが山中の貧しい場所である。
 首都リマに到着後はそこを訪ね歩くが、せっかくなので世界遺産のマチュ・ピチュくらいまでは足を延ばそうと考えている。
 実はこの文章が「島人の目」に掲載されるころには、僕は妻と共にペルーを旅しているはずである。
(仲宗根雅則、TVディレクター)