名護城跡、15年間清掃 小橋川さん「元気な限り続ける」


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15年間、ほぼ毎日清掃を続ける小橋川松晋さん=名護市の名護城跡

 【名護】名護城跡公園の拝所から450段余もの階段や周辺を、15年間ほぼ毎日掃除している人がいる。その人は名護市東江の小橋川松晋さん(68)。公園を利用している市民から「いつもきれいにしてくれてとても気持ちいい。おかげですがすがしくお参りできる」と感謝されている。

 小橋川さんは当初、名護市のヒンプンガジュマル周辺を掃除していたが、市民がよく行く場所で名護のシンボルでもある名護城が気になり、ごみ拾いから始めた。しかし、拝所周辺や階段に落ち葉やごみがあまりに多いのでほうきを持参して掃除を始めた。
 小橋川さんは「掃除していると気持ちいいし、心も落ち着く。ここでは友人たちにも会えるしね。市民や友人が喜んでくれるから自分もすがすがしい気分」とはにかむ。
 掃除は早朝の2、3時間。全てを一気にはできないので、階段の入り口付近、中段、上段、拝所、鳥居周辺に分けて行っている。丁寧に掃くので、持参するほうきは10日ほどしかもたないという。「所要で中部に出掛ける時、ほうきを見掛けるとついその店に足が向かう」と笑う。
 早朝ウオーキング中の宮城弘光さんや比嘉正さんは「毎日きれいにしてくれてとてもありがたい。気持ちがいい」と感謝し、「台風の後は枯れ葉や枝など一面に落ちるが、丁寧に掃除してくれるので頭が下がる」と話す。
 小橋川さんは「元気な限り、これからもずっと掃除は続ける」ときっぱりした口調で語った。
(幸地光男通信員)