愛楽園に社会交流会館 「強制隔離」伝える


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「社会交流会館」の建設予定地=22日、名護市の沖縄愛楽園

 【名護】名護市の国立療養所沖縄愛楽園は、ハンセン病患者の強制隔離政策の歴史を伝える資料室などを備えた「社会交流会館」を建設する。

年明けに着工し、同園が開園75周年を迎える2013年11月10日にプレオープン、14年4月の正式オープンを目指す。同園将来構想の柱の一つで、同園自治会の金城雅春会長(58)は「人権と平和を発信する場にしたい」と話している。
 全国の国立ハンセン病療養所の中で、交流会館を新築で整備するのは初めて。建設予定地は、キリスト教伝道者の故・青木恵哉氏が土地を購入し、患者たちと住んだ愛楽園発祥の地だ。
 交流会館は2階建てで、面積は1、2階ともに738平方メートル。1階は、ハンセン病の体験談などを聞く多目的ホールと常設展示室を設ける。2階は、ボランティアガイドの拠点や企画展示室、資料保管庫などを整備する。
 将来構想は名護市が09年に策定。交流会館のほか海浜公園やホスピスの整備などを盛り込んでいる。自治会は今後、他の項目も実現していきたい考えだ。
 交流会館は当初、11年度着工の予定だったが、国の予算化が遅れていた。金城会長は、愛楽園に関する資料提供も呼び掛けている。問い合わせは(電話)0980(52)8115。