住民に特定健診検討 うるま原油流出


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
健康への影響などについて沖縄ターミナル側へ質問する住民ら=26日、うるま市勝連の比嘉区公民館

 【浜比嘉島=うるま】うるま市与那城平安座の石油備蓄基地で発生した原油流出事故について、沖縄ターミナル(三溝芳春社長)は26日夜、同市勝連浜比嘉島の比嘉区公民館で住民説明会を開いた。

住民からは「臭いがきつい日は寝込んでしまう。一日も早くどうにかして」という切実な声が上がった。三溝社長は、健康への心配が広がっているため、通常は危険業務従事者を対象に行う特定化学物質健康診断を住民向けに実施する方向で中部地区医師会と調整中であることを明らかにした。
 これに対し住民からは「会社側が住民宅を訪ね、健康状態を把握すべきだ」との意見が出た。説明会の開催が遅れたことにも「誠意がない」「即座に説明するのが責任ではないか」と同社の説明責任を問う意見が相次いだ。同社は今後、浜区や桃原区など島しょ地域の自治会と調整し、説明会を開く予定という。
 説明会の冒頭、三溝社長は「報告が遅れたことを反省しおわびする。原油の抜き出し完了後、速やかに事故原因を検証し、再発防止、安全対策を講じ、地域との協定に基づき企業としての社会的責任を果たしていく」と謝罪し、頭を下げた。
 住民からは「平安座区などで実施している環境測定を比嘉区でも行ってほしい」との要望や「火災時の避難体制はどう考えているのか」という指摘もあった。会社側はそれぞれに「測定地点は県や市の指示を受けている」「自治会長と相談したい」と答えた。
 参加した外間晴美さん(49)は「やっと説明会をしてくれた。環境測定の結果を『ホームページで公開しているから見ろ』というのではなく、一軒ずつ訪問し説明する誠意がほしい。今後、農作物などの風評被害が心配だ」と顔を曇らせた。