三角点探して“絆” 新潟の田中夫妻、県内各地14個確認


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伊是名島の一等三角点を見つけて喜ぶ田中辰二さん(左)と妻淑子さん=4日、伊是名村

 【伊是名】地図作製など測量の基準点となる三角点を趣味で探し歩いている新潟県の田中辰二さん(84)と妻の淑子さん(76)がこのほど、伊是名島を訪れ、島内の三角点を調べた。夫妻は10月末に沖縄を訪れ、16日間で県内各地にある一等三角点21個のうち14個を確認した。

 辰二さんは「沖縄の人たちに各地で親切にしてもらった。私たちのために山道を事前に切り開いた方々もおり、感謝の気持ちでいっぱいです」と喜んだ。
 三角点は地表に埋められた石柱で上部には「+」の字が刻まれ東西南北を示している。辰二さんは35年前から全国各地にある900個近い一等三角点を探し歩き、これまでに約800個を確認してきた。
 夫妻は伊是名島の一等三角点のある場所が示された地図を頼りに、チヂン岳の登山道を登り、展望台の中心で一等三角点を発見した。「あった、あった」と夫妻はまるで宝物を見つけたように喜び合った。
 辰二さんは、70歳の時に胃がんの手術を受け全部の胃を摘出した。その後4度、脳梗塞になったが克服した。言語にはまだ障がいが残っているが、淑子さんの協力で、沖縄の一等三角点探しの旅を実現させた。
 辰二さんは「無事に伊是名島の一等三角点も確認できてうれしい。沖縄の旅は結婚50周年の記念旅行にもなった」と感慨深げに語った。(東江京子通信員)