特殊詐欺、倍増32件 被害額5倍1.7億


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 ことし11月末までに発生した振り込め詐欺などを含む「特殊詐欺」は32件(暫定値)で、昨年1年間の16件の2倍となっていることが11月30日、県警安全なまちづくり推進課のまとめで分かった。被害額は、昨年の約3千万円から5・6倍の約1億6800万円に増えている。年末年始を前に、金融機関を対象とした強盗事件や振り込め詐欺の発生を防止するために同日開かれた、県金融機関防犯連絡会で県警が報告した。

 県警によると、ことしは架空請求が6件、昨年は発生がなかった医療費や保険料の返還をうたった「還付金詐欺」が10件、未公開株の購入などを持ち掛ける「金融商品等取引詐欺」が13件、そのほか3件が発生した。昨年は「オレオレ詐欺」が1件、架空請求が5件、融資保証金詐欺が4件、そのほか6件だった。
 一方、金融機関を対象とした強盗事件は県内では2009年を最後に発生しておらず、全国でも昨年10月末の55件からことしは30件と減少しているが、11月22日には愛知県の金融機関で立てこもり事件が起きており、会議では対策の重要性などが議論された。
 県警の前泊良昌生活安全部長は「ボーナス支給や歳末商戦など経済活動が活発化し、金融機関に対する強盗事件や振り込め詐欺が懸念される。県警は各種犯罪の未然防止に全力を尽くすが、金融機関でも店舗の防犯対策に万全を期してほしい」とあいさつした。
 会議には、県警生活安全部と金融機関13事業所、関係2団体が参加した。