コンビニ全店にAED 那覇市、救命率向上に期待


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那覇市役所内に設置されているAED=3日、同市役所新都心銘苅庁舎

 那覇市消防本部は自動体外式除細動器(AED)を118台購入し、市内にある24時間営業のコンビニエンスストア全店に設置する方針を決め、3日に開会した市議会12月定例会に約3900万円の予算案を提案した。一括交付金を活用する。

救急出動件数が増加を続け、救急車の平均現場到着時間が長くなる中「市民にとって身近なコンビニに設置することで、心停止者の救命率向上につなげたい」としている。市によると、自治体によるコンビニへのAED設置は全国でも3例目。
 AEDは心停止状態に陥った人の心臓に電気ショックを与え拍動を再開させて救命する機器。従来は公共施設などを中心に設置されてきたが、平日の業務時間帯である日中しか活用できないなどの課題があった。
 市は各コンビニにAEDの設置を依頼し、市民から要望があった場合には市民に貸し出してもらう。
 コンビニにAEDが設置された場合、心停止者の所に救急車が到着するまでの間、通報者に近隣のコンビニにAEDを取りに行ってもらい、消防署が使い方を口頭で指導する。一方で市民対象のAED活用を含む応急手当講習の実施を拡大する。ソフト、ハード両面でのAED活用促進を目指す。市消防本部は「病院への医療へつなぐ“救命の輪”を広げたい」と話した。那覇市内のコンビニへのAED設置について、琉球大医学部付属病院救急部長の久木田一朗教授は「コンビニという身近な行きつけの場所にあるのは、いいことだ」と評価した。