サンタが被災地支援訴え フィンランドから来県し糸満で交流


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【糸満】本場フィンランドから招いたサンタクロースが東日本大震災の被災者と交流する「サンタ・プロジェクトin糸満」が3日、糸満市摩文仁の県立平和祈念資料館1階ホールであった。

地元の米須幼稚園、同小学校の園児、児童ら約170人が見守る中、被災地の中高生7人が震災の体験を報告。その後、フィンランドから来た合唱団のミニコンサートやボランティアの学生による絵本朗読などがあり、終盤にはサンタクロースも登場し、会場を沸かせた。
 同プロジェクトは、震災の記憶を風化させないよう、関東学院大学(横浜市)の伊藤玄二郎教授が発起人となって、昨年から開催。サンタの前向きなイメージを通して、被災地支援を訴える。
 初めに、宮城県など被災地の中高生が写真を用いて震災直後の様子を紹介。「学校の校門のそばまで津波が来ていた」「家の中にがれきや泥が入り込んできた」などと説明。最後に「支援をありがとう」と感謝した。
 サンタが登場すると、児童らから歓声が上がった。児童から「煙突がない場合はどうするの」と質問が出ると、サンタはアシスタント役を務める「トントゥ」の存在などを挙げ「サンタにはいろいろ不思議なことがある」と説明。「みんな良い子だからプレゼントがもらえると思うよ」と太鼓判を押した。
 伊藤教授は「繰り返し事実を伝えることで、人々の記憶を喚起したい」と話した。

本場フィンランドから来県したサンタクロース
美声を響かせるフィンランドの「ベルカント」合唱団=3日、糸満市摩文仁の県平和祈念資料館