下地さんに表彰状 第17回沖縄コロニー大賞


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第17回沖縄コロニー大賞贈呈式に参加した下地ヒロ子さん(前列中央)と関係者ら=9日、那覇市のザ・ナハテラス

 自立への努力や活動が顕著な障がい者に贈られる第17回沖縄コロニー大賞贈呈式が9日、那覇市のザ・ナハテラスで開かれた。国指定重要無形文化財である宮古上布の織り手で、宮古島市膠原(こうげん)病患者の会「四つ葉の会」会長を務める下地ヒロ子さん(57)=同市=に賞状や記念品などが贈られた。

 離島からの同賞受賞は初。中学2年生で膠原病を患い、重症筋無力症を併発した下地さん。「医療費は自分で払えるようにしたい」との信念から洋裁を学び、その後宮古上布と出合った。努力を重ね、高度な技法を持つ貴重な織り手の一人となり2008年には県工芸士認定を受けた。
 下地さんは「難病の発症で1度はわがまま放題になり家族に迷惑も掛けた。その後宮古上布と出合い、夫と出会い、誰かに必要とされていると思い、生きてこられた証しの受賞で感激している。両親にも大事に育ててくれてありがとうと伝えたい」と喜んだ。
 ことし9月には第45回県婦人の主張大会で県知事賞を受賞した下地さん。夫の幸吉さん(55)をはじめ、恩師や友人など周囲の多くの支援に深い感謝を表した。同日は高齢のため贈呈式に参加できなかった両親に向け、インターネットで会場と自宅をつなぎ、式の模様を生中継した。