民権運動の父功績を歌に 「謝花昇賛歌」が完成


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
謝花昇の功績をたたえる歌を作り、比屋根方次八重瀬町長(中央)に贈呈する大城政明さん(右)、作詞を担当した兼次佐一さんの長男一郎さん=7日、八重瀬町東風平運動公園内の謝花昇像前

 【八重瀬】旧東風平村(現八重瀬町)出身で「沖縄自由民権運動の父」といわれる謝花昇の功績をたたえた「謝花昇賛歌」がこのほど完成し、八重瀬町に寄贈された。

作詞は元那覇市長の故兼次佐一さん、作曲は元中学校音楽教師の大城政明さん(71)=糸満市賀数=が担当した。7日、大城さんらが同町役場を訪れ、比屋根方次町長へ楽曲を贈呈した。
 謝花は1865年生まれ。琉球処分後の沖縄で、さまざまな制度改革に努めた。特に藩閥政治の打破と参政権獲得運動に尽力したことで知られている。
 1998年、琉歌を詠むことが好きだった兼次さんが歌詞を作り、大城さんに作曲を依頼した。だが同年、兼次さんが病気で亡くなったため、大城さんは楽曲作りを中断。作曲から10年余を経たことし、埋もれていた資料の中から歌詞を発見。すぐに制作に取り掛かり、9月に完成した。
 楽曲の歌い手でもある、大城さんは「明るい曲調で、前向きになれるように作曲した。歌を通して最近薄れてきている『琉球魂』を伝えたい。学校行事などで使用してほしい」と話した。
 比屋根町長は「町の祭りなどで利用できるかどうか、議会と検討していきたい」と話した。