宮古島「旧西中共同製糖場煙突」 国の登録文化財に、文化審答申


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旧西中共同製糖場煙突=宮古島市城辺(同市教育委員会提供)

 国の文化審議会は14日、宮古島市城辺にある「旧西中共同製糖場煙突」を国の登録有形文化財(建造物)として登録するよう文部科学大臣へ答申した。県内の国の登録有形文化財は76件となる。

 旧西中共同製糖場煙突は、高さ13メートルでサトウキビ畑の中に建つ煉瓦(れんが)煙突。宮古島の製糖業を象徴する煙突で、県内でも希少な昭和前期の製糖工場の遺構とされている。本来は約20メートルの高さだったが、沖縄戦の終戦間際に米軍のロケット砲弾を受け損傷。損傷部分は戦後の台風で崩落し、現在の13メートルの高さになったという。
 西中共同製糖場は1942(昭和17)年、旧城辺村西中と西西集落の数百人の農家が組合を結成し、建設した製糖工場。旧日本軍に接収されたため、数年で操業停止に追い込まれた。
 宮古島市教育委員会の川満弘志教育長は「数百人の農家で苦心して建設した製糖場の業績を今に伝える貴重な文化遺産。旧城辺町時代から多くの人々が保護に尽力してきた。登録され、後世に永く残ることをうれしく思う」と話した。