壁画で落書き防止へ 高速道橋脚、色鮮やかに


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高速道路の橋脚の落書きを防ごうと、壁画を描く中の町小学校6年の児童ら=15日、沖縄市コザ運動公園

 【沖縄】高速道路・沖縄自動車道の橋脚を落書きから守り、地域の環境美化につなげようと、沖縄市立中の町小学校6年児童や父母らが15日、同市コザ運動公園内に設置されている諸見里高架橋の橋脚に壁画を制作した。

高速道路を管理するネクスコ西日本九州支社によると、壁画は県内初めての取り組み。約100人が参加し、色鮮やかな絵を描いて落書きが再発しないように願った。
 高速道路の高架下などでは落書きが多く、何度消しても繰り返されるため、ネクスコ西日本九州支社が再発防止策として県外でも例のある壁画制作を思い立ち、中の町小に依頼した。
 この日、児童や父母らは卒業記念として橋脚4カ所で壁画制作に挑んだ。児童らは縦2メートル横7メートルのコンクリートの壁に向かい、楽しかったこれまでの学校生活を思い出しながら、元気いっぱいに笑う自らを描いたり色彩豊かに花や虹などを描いたりしていた。
 バスケットボールのユニホーム姿の自分を描いていた屋冨祖龍章君(12)は「部活動のことを思い出していた。練習がきつくて怒られることもあったけど楽しかった。自分が成人になったときでも見られるように、落書きはしないでほしい」と話し、壁画がいつまでも残るよう願った。
 ネクスコ西日本九州支社沖縄高速道路事務所の土田賢一総務課長は「子どもたちの絵で景観もよくなるし、何よりこれで落書きがなくなればうれしい。成果があれば、県内の他の場所でも実施したい」と語り、この取り組みが実を結ぶことを期待していた。
(小波津智也)