大綱の技でしめ縄 雑草活用、伝統継承へ


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しめ縄作りに精を出す西原地区の区民ら=18日、浦添市西原のわくわく農園

 【浦添】浦添市西原の区民らによる、正月用のしめ縄作りが18日、同区のわくわく農園で20人余が参加し行われ、公民館などに飾り付けるしめ縄を協力して作り上げた。

 ことしで5度目となるしめ縄作りは、区民らが地域の清掃活動で収集した「マカヤ」と呼ばれる雑草を活用。同区で毎年夏に催される大綱引きの綱作りの技を、しめ縄作りに応用している。
 現在、大綱作りは材料を調達するのが難しく、区独自では行えなくなっている。しめ縄作りは、刈り取られ廃棄する雑草を再利用すると同時に、地域に伝わる伝統的な技法を残す画期的な取り組みとなっている。
 参加した比嘉正吉さん(78)が「今では年寄りしか、作り方は分からない」と話すように、大綱を作る方法を知るのは、70歳以上の男性がほとんどだ。今後はいかにして若い世代に、しめ縄作りなどを通して技法を伝えていくかが課題だという。
 比嘉さんは「来年もみんなが健康で過ごせるように思いを込めた」と、出来上がったしめ縄に満足げだった。