思い思いに巨大絵画 中部農林高、障がい者らと創作


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 中部農林高校福祉科の1年生35人は14日、同校で5・4メートル四方の巨大なキャンバスに絵を描く「ビッグアート」に挑戦した。

この取り組みは芸術を通して障がい者の社会参加・自立支援を進めるNPO法人クーピーファッションアートグループ(仲本薫理事長)と障がい者と共に実施した。参加者は障がいの有無にかかわらず、キャンバスを色付けていく創作活動を楽しんだ。
 中部農林高は障がい者に対する心理的な壁や無意識に持っている偏見をなくそうと授業を企画した。同校で社会福祉基礎の授業を教える東嵩西優一教諭は「授業で教える以上に、一緒に創作活動をすることで、より生徒の中にある壁を取り払えると考えた」と趣旨を語った。就労継続支援B型のさばにくらぶ(読谷村)とフレンズハウスみさき(沖縄市)の利用者が参加した。
 参加者は筆だけでなく、手や足なども使ってキャンバスに思い思いの色を塗った。同級生の着ている服や顔にも水性ペンキを塗るなど、自由な表現を満喫していた。
 参加した同校の徳田沙月さん(16)は「一緒に絵を描いてみて、障がい者に対するイメージが変わった。自分の言いたいことも素直に言ってくるし、ある部分に対する色使いの感性が自分と同じところもあって、楽しかった」と感想を語った。

巨大なキャンバスに思い思いの色を塗る参加者=14日、中部農林高校
高校生とアーティスト、障がい者が一緒になって作り上げたビッグアート=14日、中部農林高校