社会的支援が必要 性被害救援一元化でシンポ


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 性犯罪被害者の相談から支援までを1カ所で行う「ワンストップ支援センター」の設立に向けた、ワンストップ支援センター設立を強く望む会のシンポジウム(同会主催)が21日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれた。

長年、性犯罪の被害者と接してきた竹下小夜子精神科医が講演し、沖縄の実態として乳幼児期に家族・知人から被害を受ける件数が多いことを説明。「『暗い夜道で、一人で歩くから被害に遭う』というのは全くの誤解だ。被害を語れない人は多く、社会的支援が必要だ」と協力を呼び掛けた。
 竹下氏はことし11月の1カ月間、強姦救援センター・沖縄(REICO)が無料で電話相談を受け付けた結果を公表。相談件数は91件に上り、そのうち被害時の年齢は「乳幼児期」が16件と最多で、加害者との関係は家族が28%、知人が56%、被害場所は屋内がほとんどだった。
 望む会の共同代表、金城葉子さんは「私は40年間、事件と一緒に生きてきた。誰でもすぐに訴えられる場所をつくりたい」と訴えた。県が2013年度に支援センター設立に向けた検討会議を立ち上げることについて、同じく共同代表の田中真生さんは「県だけで勝手に進めてほしくない。当事者の意見を取り入れてほしい」と話した。
 望む会は今後もシンポジウムを継続して開催し、センター設置に向けた県民の理解を呼び掛けていく。次回は来年2月2日、性暴力救援センター・大阪(SACHICO)の加藤治子代表を招く予定。同会のサイトはhttp://okinawa1stop.ti―da.net