所持金わずか160円 那覇市でテント村


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「自立支援テント村」で相談内容などを聞く関係者=24日、那覇市の与儀公園

 温かい食事を提供するほか、生活困窮者の相談に応じる「自立支援テント村」(反貧困・反失業沖縄県ネットワーク、生活と健康を守る会主催)が24日、那覇市の与儀公園で開設された。

ことしで4回目。約150人が訪れ、うち50人が生活保護の申請などを相談した。相談者の数は昨年より減ったが、若い人の姿もあり、主催者は「困っている人はまだまだたくさんいる」と話していた。
 テントでは、生活保護、医療・介護、生活資金や住居、労働問題、健康問題などに関する相談コーナーが設けられ、専門家が一つ一つ相談に応じた。また、ご飯や豚汁、ぜんざいが振る舞われ、訪れた人が行列をつくっていた。
 県外から沖縄に来て約1年の50代の男性は「生活の全てが厳しい。持病もあるが、病院には行けず、45日くらい水だけで過ごしたこともある。食べ物は弁当屋さんなどからもらったりしている」と話し、生活保護を申請した。別の60代の男性は、1時間余りかけて徒歩で市内から来た。「今の所持金は160円。ここで1食は食べられる。お米を久しぶりに食べた」と話した。
 相談者50人のうち、生活保護に関して23人が相談した。その中には直ちに申請する必要がある人が7人おり、主催者は25日以降、役所への申請に同行する。
 閉村式で、相談を受けた関係者が「ホームレスが少なくなっているとはいえ、まだ困っている人はたくさんいる」などと感想を述べ合った。反貧困・反失業沖縄県ネットワークの新垣安男共同代表は「昨年は相談者が80人おり、今回は減ったが、生活保護に関する相談が多く、20代の人もいた。若い人が働けないという状況があるのではないか」と懸念を示した。