30年にわたってラジオ沖縄(ROK、森田明社長)の「方言ニュース」のキャスターを務めた小那覇全人さん(87)が26日の放送で番組を“卒業”した。
ウチナーグチの普及を願い、自ら標準語をウチナーグチに訳したニュースを読み続けてきた。若者を中心にウチナーグチ離れが懸念されている一方、ウチナーグチを積極的に使おうという運動も少しずつ広がりを見せている。「ウチナーグチをいつまでも残したい」。これからも変わらない思いを次の世代に引き継ぐ。
「方言ニュース」はひーぷー(真栄平仁)さんがパーソナリティーを務める「ティーサージ・パラダイス」(月~金曜の正午~午後1時50分)の番組内で午後1時ごろから約5分間、放送されている。
水曜担当の小那覇さんは後進に道を譲ろうと、勇退を決めた。後任は国立劇場おきなわ企画制作課専門員の上地和夫さん(64)が務める。小那覇さんは戦後の沖縄を笑いで元気づけた故小那覇舞天(本名・全孝)さんの長男。「おやじにはかなわない」と言うが、ひーぷーさんとの掛け合いで父親譲りのユーモアを見せることも。
30年の歩みを「沖縄の芸能文化を支えるのはウチナーグチだと確信しながらやってきた。若者でも分かりやすいように訳することを心掛けていた」と振り返った。
26日の放送では、穏やかな語り口と味のあるウチナーグチに魅了されてきたリスナーから次々とメッセージが届き「感慨ひとしお。これからもウチナーグチの普及に努めたい」と決意を新たにしていた。(徳元謙太)
英文へ→Onaha ends his 30-year career for Radio Okinawa’s local dialect news