琉球弧の動物学んで こどもの国、琉球犬など展示へ


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琉球弧の動物の展示エリアに展示予定の琉球犬=27日、沖縄こどもの国

 【沖縄】沖縄こどもの国(高田勝施設長)は2013年度内に、琉球弧の野生生物や家畜に特化した展示エリアを設ける。ライオンやゾウなど他の動物園でも見られる動物だけでなく、琉球弧にしか存在しない動物の展示に力を入れることで、足元の生態系に対する関心、知識を高め、沖縄独特の生態系保護にもつなげたい考え。

こどもの国は琉球弧にある唯一の動物園。全国の他の動物園との差別化も図ることで、観光客の増加も目指す。
 展示エリアの面積は約600平方メートルを計画。第1弾として、既にニホンザルを展示していた猿山の全面改築に着手しており、改築後はヤクシマザル(ヤクザル)を展示する。13年度に他の展示エリアを整備し、ケラマジカ、琉球犬(トゥラー)、大東犬、ヨナグニウマ、アグー、ヤギなどを展示する予定。国の天然記念物のため調整が必要だが、ヤンバルクイナなどの展示も目指す考え。
 展示エリアには、馬が動いてサトウキビの汁を搾る「サーター車」なども設置し、人間と在来家畜の共存が生み出してきた琉球弧独特の文化も発信する。
 こどもの国の比嘉源和動物園長は「まずは足元の生活基盤や先人の知恵を知ることで、その周辺にある野生動物、日本や世界の動物への関心につながる」と強調。現在、同園の利用客の9割は県内からの客とした上で「沖縄にしかいない動物、沖縄にしかない文化をもっと発信し、県外からの利用者も増やしたい」と話した。(島袋良太)