交通死亡者数が最少 2012年県警まとめ


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人身事故件数と交通事故死亡者数の推移

 2012年の県内の交通事故による死者数は31日正午現在、40人で、統計を取り始めた1947年以降、最少となる見通しであることが県警交通企画課のまとめで分かった。

これまで最も死者数が少なかったのは07年と08年の43人で、11年は45人だった。
 警察庁は交通事故死者数の統計を「発生から24時間以内」の範囲で取っており、事故発生から30日以内での死者数は31日午前現在で55人。県内の交通事故による死者数は最多が1973年の123人で、その後は減少傾向が続き、2007年以降は40人台で推移するなど、最多時の3割程度まで減少している。
 交通事故の発生件数は25日現在で6394件。11年の6788件が統計上の最多記録で、12年も交通事故全体は多発傾向にあったことが分かる。負傷者数は27日現在で7642人で、過去2番目に多かった11年の8045人から引き続き高水準となっている。
 同課は交通死亡事故が減少している背景について、継続してきた交通安全教育の効果や取り締まり強化による飲酒運転の減少、事故発生から早期に治療できる体制の整備-などを指摘する。特に11月末現在で全国ワースト状態が続く飲酒運転絡みの事故については、罰則を強化した道交法の改正などで件数自体は減少しており、死亡事故抑止につながっているとみている。
 その一方で交通事故の発生件数が年々増加している要因について同課は「県内では人口や車両保有台数、免許人口が増加を続ける中、他県のような鉄軌道もなく車両運送に頼らざるを得ない。空港や港など主要施設と企業も本島南部に集中しているため、事故件数が増加しているのではないか」と分析する。13年も引き続き取り締まり強化など各種対策に取り組み、交通事故の減少に努めるとしている。(久場安志)