核廃絶へ決意新た 石垣市平和フォーラム


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被爆体験を語る中西巖さん=12月27日、石垣市民会館大ホール

 【石垣】石垣市は12月27日、市核廃絶平和都市宣言の制定1周年記念事業「石垣市平和フォーラム」を市民会館大ホールで開催した。

広島の被爆体験証言者、中西巖さんの講話や、広島、長崎で被爆者を取材した石垣市内の児童、生徒の報告があり、参加者は核兵器のない平和な世界の実現に向けた願いを新たにした。
 15歳の時、爆心地から約2・7キロ離れた動員先の軍服工場で被爆した中西さんは、原爆が爆発した瞬間に「吸い上げられるような感覚を受けて気を失った」という。工場の鉄の扉に守られて生き延びたが、直後に爆心地付近を訪れ、惨状を目の当たりにした。
 中西さんは皮膚が焼けただれた人々が逃げる様子や、死んだ子どもを抱く母親の様子を生々しく証言。「小学生くらいの男の子から『助けて』と言われた。差し出された手を取ったが皮膚がむけて滑って離してしまったのを、今でも忘れることができない」と語り、原爆被害の悲惨さを伝えた。
 がんの発症や社会的差別、体内被ばくの後遺症など、現在も被爆者が多くの苦しみを抱えてることも説明。「貴い犠牲の上に平和があることを決して忘れてはいけない。広島、長崎、沖縄の悲劇を広く長く伝えてほしい」と訴えた。
 広島平和大使として原爆被害を学習した新本貴梨子さん(石垣中2年)と金城花音さん(大浜中1年)、長崎平和大使の上地海春さん(真喜良小5年)と星空さん(川平小6年)、親子新聞記者として被爆者を取材した祖納大樹君(八島小5年)も、学習した内容を報告し、平和の大切さを訴えた。