海人料理で地域おこし 玉城さん、糸満に食堂計画


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「沖縄のおいしい魚を発信したい」と力を込める玉城弘康さん=糸満市

 【糸満】豊見城市に住む玉城弘康さん(34)は、2月中旬に糸満市西崎町にレストラン「糸満漁民食堂」をオープンする。店は市伝統の「海人(うみんちゅ)文化」をコンセプトに、糸満で取れた新鮮な魚を使用する。

看板メニューとして海人が普段食べていた伝統料理「魚汁」を現代風にアレンジして提供する予定だ。玉城さんは「伝統的な『新郷土料理』を提供し、糸満の魚の認知度を高めたい」と意気込んでいる。
 実家は市内の魚仲買業者「勝冷凍」。幼いころから手伝いで魚市場に連れて行かれ、魚は身近な存在だった。
 大学を卒業後、銀行員を経て、那覇市に居酒屋を構えた。将来的に糸満に店を出すことを考えていたある日、糸満の海人の歴史を記した本「海の狩人沖縄漁民―糸満ウミンチュの歴史と生活誌」(加藤久子著)を手に取った。読み進めると、偶然にも市場で魚屋を営んでいた祖母金城芳子さんの名前があった。運命的なものを感じた。もともと、糸満に店を出すことを考えており「やらないといけない」とさらに決意を固くした。
 すぐさま、糸満海人工房・資料館の管理をする上原謙さんを訪ね、伝統的な海人の料理を学んだ。玉城さんは「糸満の海人が好んだ魚汁を市の郷土料理として発信したい。調理や味付けを工夫して、おいしい沖縄の魚を知らしめたい」と力を込めた。

英文へ→New uminchu diner to open in Itoman