「20年間ありがとう」 石垣・白保 新成人が感謝の言葉


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新成人をモーヤーで祝福する白保の人々=4日、石垣市の白保公民館

 【石垣】石垣市白保の新成人が家族や地域へ感謝の気持ちを伝える「成人祝賀会」が4日、白保公民館で行われた。新成人24人は家族や地域の人々に見守られながら、スピーチで20年分の感謝を言葉にした。

ほとんどの新成人が涙で言葉を詰まらせ、会場は感動に包まれた。
 スピーチは1人ずつ行い、2人終わるごとに家族や地域の人が入り乱れてモーヤー(カチャーシー)を踊り、祝福した。涙を流す新成人に両親がティッシュを渡す場面では笑いも起きた。
 東京の大学に通う新成人の米盛博美さんは、一人暮らしで家族のありがたさを実感したことを話した。「挫折して、大学を辞めたくなったとき、お父さんがすぐに駆け付けてくれた。6人きょうだいの5番目だから『どうでもいい』と思われているのかと思ったけれど、お父さんが一緒に泣いてくれて、とてもありがたかった」と涙をこぼしながら感謝を伝えた。
 西表島で郵便局員をしている嘉弥真諒さんは男手一人で育ててくれた父と祖母に感謝。「父は怖い人で、高校卒業まではあまり話さなかった。仕事に就いた後、父から『社会人だから仲良くしよう』と言ってくれ、今では2人で食事に出掛けるほど仲良し。感謝している」と語った。
 比嘉志穂里さんから「20年間育ててくれてありがとう」と伝えられた母の美香さん(41)は「早くに結婚したので、私たち夫婦は子どもと一緒に成長した。きちっとした教育ができたか心配だったが、今日の話を聞いて安心し、感動した」と話した。
 白保の成人式は2日間行われ、2日目の5日は新成人が伝統舞踊を披露し、成長の証しを示した。(稲福政俊)