「奄美・琉球」暫定リストへ 世界遺産候補


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 【東京】政府は16日、2003年に世界自然遺産の候補地に選ばれた「奄美・琉球諸島」(鹿児島、沖縄両県)に関し、暫定リストに記載するかどうかを審議する関係省庁連絡会議を外務省で開く。

リストへの記載は、本登録に向けた政府推薦の前提。審議を経て、記載される見通し。具体的な区域は記載決定後、絞り込み作業が行われる。
 現在、日本の世界遺産暫定リストで自然遺産での登録はなく、記載されれば日本で最有力の候補地になる。国内5カ所目、県内初となる県民悲願の世界自然遺産本登録に向け、大きな一歩を踏み出す。
 暫定リスト登録は11年6月に本登録された「小笠原諸島」以来、6年ぶり。
 暫定リスト掲載により、国内手続きを本格化させ、遺産価値の理解促進や機運醸成を図る狙いがある。今後、本登録に向けて不可欠な国立・国定公園など「特別保護区地区」設定の調整や外来種対策などを加速させる。
 これまで「奄美・琉球諸島」は、自然保護措置を厳格にすることや自然調査の進展具合などから、暫定リスト入りが先送りされてきた。
 希少種が多く生息する本島北部地区を、世界自然遺産の区域に含めるかどうかは今後、国内法が及ばない米軍北部訓練場の扱いを含め、課題が残る。
 世界自然遺産本登録に向けては、政府があらためて推薦書を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出。約1年後にユネスコで審査される。小笠原諸島は07年1月に暫定リスト入りしてから推薦書送付まで3年、本登録まで4年かかっている。