中高生21人躍動 尚巴志の活躍を熱演


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はつらつと演技を披露する中高校生たち=12月22日、南城市大里農村センター

 【南城】北山、中山、南山を統一して琉球王朝初代王になった尚巴志の現代版組踊「翔べ!尚巴志」が12月22日、南城市大里農村改善センターで上演され、大勢の市民らを魅了した。

 公演実行委員会の父母会(嶺井由加里代表)が全て取り仕切り、約半年間の稽古を積んで発表に臨んだ。出演者は同市内を中心に宜野湾市、南風原町、読谷村などの中高校生が務めた。
 尚巴志役は南風原高校3年の井上あすかさん、相手役のきよらには同校1年の嶺井日夏野さんが扮(ふん)して、舞台いっぱいに演じた。尚巴志が中山の護佐丸と信頼関係を築きながら、北山軍と密約を交わして戦いを有利に進める臨場感に満ちた場面など、観客を引き付けた。
 出演者21人のうち男子は4人。北山軍との戦いの場面も減らし、凱旋(がいせん)の喜びを表情豊かに踊るシーンを多く取り入れ、躍動感あふれる演技に大きな拍手が送られた。
 母親と一緒に鑑賞した大里中学校1年の岩切里帆さん(13)は「元気いっぱい踊るお姉さんたちを見て、ぜひ稽古に参加してみたいと思った」と話した。
 上演終了後は、出演者が舞台から観客らにお礼のあいさつをし、嶺井代表に「ご指導ありがとうございました」と花束を贈った。嶺井代表は「みんなに支えられ、子どもたち全員が百パーセントの力を出して見せてくれた」と涙を浮かべながら感謝した。
(知花幸栄通信員)