「理解」共生への第一歩 障害者県民会議


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共生社会実現へ「互いの理解が重要」と訴えるパネリストの(左から)比嘉豪さん、田中寛さん、新垣佳子さん=15日、名護市の県北部福祉保健所

 【名護】「県障害のある人もない人も暮らしやすい地域づくり県民会議」(障害者県民会議)と県が共催するタウンミーティング(TM)が15日、名護市の県北部福祉保健所で開かれた。

障がい者の権利擁護推進を目的とする条例制定に向け、同県民会議委員と住民が意見を交わした。障がいのある人、ない人が共生する社会づくりへ互いを理解することがスタートとの指摘があった。
 県民会議委員の比嘉豪さん(県聴覚障害者協会事務局長)は、聴覚障がい者は情報を得たり、相手に伝える手段が限られたりするとして「正しい理解なくして助け合いはない。思いやりだけでは本当の支援はできない。ボランティアの育成など課題は多く、条例をみんなの手で高めたい」と訴えた。
 同じく委員の田中寛さん(県手をつなぐ育成会会長)は、道案内しようと健常者が視覚障がい者のつえや腕をいきなりつかんだ例を挙げ「当事者が望んでいることを分かっていないことがある。私たちもまだ知らないことはある。条例は出来上がってからがスタートで、状況の変化に応じて内容を変える」と話した。
 知的障がい者バスケットボールの県代表に選ばれた新垣佳子さん(サービス事業所利用者)は「私たちは練習場所も少ない。早く条例ができ、誰もが同じように安心して暮らせるようになってほしい」と語った。
 フロアからは難病患者の支援をする山入端保さんや沖縄愛楽園自治会の金城雅春さんが発言し「健常者と障がい者のはざまにある難病患者には、依然差別が残る。共に声を上げたい」「差別、偏見は一朝一夕になくならないが、社会に投げ掛けることが重要」などの意見があった。